間瀬耐参戦記

8月の終りに、池田さんから「前に言ってた間瀬の耐久だけど、出てみない?」と話を持ちかけられました。
それから、無謀ともいえる間瀬耐参戦が始まったのです。

RZ-MLの日本海支部のメンバーに声をかけて、メンバーを募り、池田さんが用意してくれたFZで参戦することになりました。

中村@新潟さん、大田さん、私の3人がライダー、ブリ君、岩平君がピットクルー、チーム監督には、池田さんというメンバーで、300kmの長丁場を戦うことになりました。

いざ参戦!!

金曜日、仕事を終えると、早速、荷物の積み込み。
そこに、田中さんRZに乗って登場。
別れ際に「じゃ、間瀬で待ってますから!!」というと、「う〜〜ん、行くとしたら下道で行くと思うから、当日の朝に到着かな？」って、ホントこの人、来る気なのかもしれない(^^;

それから、2時間ほど仮眠して、10時に家を出発。
慣らし中のハイエースで高速をひたすら移動。結局、一度も休憩せずに3時ごろ間瀬サーキットに到着。すでに何台かのトランポが入り口前でゲートオープンを待っていました。
8時前にゲートオープン。
参戦する予定のFZは今日受け取り予定なので、SRXでコースを覚えるためにコースイン。
噂には聞いていたけど、マジで、殆ど峠ジャン、このコース。
練習時間を目いっぱい使って、走り込みをしましたが、SRXは全開するとなぜか、ノッキングの嵐...
壊さないように、ゆっくり走ってコースを覚えることに専念しました。

それにしても、他のチームのバイクの速いことといったら....直線では、あっという間に見えなくなってしまいます。

温泉でまったり

ちかくにある「じょんのびの里」というところで、温泉に浸かってまったり。
殆ど、仮眠室とかしている映画視聴ルームで、爆睡しました。

間瀬サーキットから、20分くらいの処にある懐石料理屋で夕飯。
蟹が美味いのよねぇ。

FZと対面
夜に間瀬サーキット前の駐車場で、池田さんと待ち合わせ。
池田さんのトランポから下ろされたFZ400Rは、予想以上に綺麗です。
あらかじめ、池田さんが用意してくれていたゼッケンは、黒ベース。
しかし、間瀬耐のレギュレーションでは、なぜか、白地に黒文字と決められています。
事前の問い合わせでも、他のことは結構、オープンな感じの対応だったのですが、ゼッケンだけは、「白地に黒文字にしてください。」といわれてしまっていたので、駐車場で、金曜の夜に家で作っておいた、ゼッケンに付け替えます。

明日に備えて、トランポの中で寝る。
すると大田さんから電話が入る。「ごめん、いけなくなった...」
なにやら、出発しようとしたところで、止められてしまったようです。
他の人に乗ってもらうことも一瞬考えたのですが、急な話なので、中村さんと私の二人で走ることにしました。
大田さんも参戦を楽しみにしていただけに、かなり残念です。

深夜
えんちくチームのえんちくさん、夢さん、斎藤さん、そして、ピットクルーとして拉致されたひろま君が登場。
第2ゲート入り口前の駐車場でビール片手に馬鹿話に花を咲かせるのでした。

レース当日

6時、ゲートオープン。
中村さん夫婦とも、無事合流。
残っていた、ワイヤーロックをしたりしながら、受付を済ませます。
当日、ピットクルー要員で合流するはずだった、ブリ君、岩平君の姿が見えない...
困った...バイクの準備をしながら、受付をしたりとかなり大忙しになってしまった。

受付を済ませた辺りで、岩平君が無事合流。
車検に向かうのに、準備をしてもらう。

RZで来た田中さんも無事合流。というか、ホントに来ちゃったよ(^^;
池田さんも、「え？」と思ったみたいでしたが、あえて弄らずにシカトしていると、田中さんが「いけさ〜〜ん」と声をかけます。「ホントに来やがたよ、このオヤジは〜」と池サン。
いつもながらに、いいコンビです。この二人は....

そんな二人ともにツナギやブーツなどの装備をもって車検を受けに行きます。
今回は、かなりきびしくあちこち見ているようです。で、池サンの世間話して誤魔化す。という技のおかげで、あえてなにも言われずに車検もクリアできました。

ブリーフィングを済ませ、ピットに移動。
レース参戦は初めてで勝手のわからない、私たちは、ピットを確保するのをすっかり忘れてしました。そこへ池田さんが「うちのピットの隣とってあるから、えんちくさん達と一緒に使って！」と...ホント何から何まで、お世話になりっぱなしです。

フリー走行。
まずは、バイクもコースも初めてという中村@新潟さんから、コースイン。
3周ほど走ったところで、ピットに戻ってきました。
「フロントがすごく切れ込むんだけど、あとは問題ないみたい。FZってこんなに切れこんだっけ？」と...
ライダーチェンジして、私がコースイン。
シケインで、バイクを寝かしこむと、カクンとホントに転んじゃうんじゃないか?と思うくらい切れ込みます。それに、フロントがすくわれるような感覚もあります。
皮むきが終わってないせいかな?と思い、後ろを確認しながら、左右に振って、出来るだけ広い範囲でタイヤを接地させて皮むきできるように勤めました。

フロントの切れ込む感じは、やはりタイヤが原因だったみたいです。
皮むきを続けているうちに、だいぶ、グリップするようになってきたので、さっきのカクンという切れ込みもなくなりました。そして、そろそろ全開で攻めてみようかな？...と思ったところで、赤旗中断。
ピットアウトしたした車両が、すぐにコース中央に飛び出し、ホームストレートを全開で走ってきた車両に追突されたらしいです。
危ないですねぇ...

コントロールタワー前で、緊急ライダーミーティング。
「ピットアウトした車両は、シケインまでは、右端を走行するように!」と再度、繰り返されました。

この頃に、ブリ君登場。
しかし、程なく、池田チームに拉致されてしまった。
おぃおぃ、うちのチームの手伝いできたんじゃないのかぁ??

フリー走行再開。
もう一度、コースインして、タイヤの皮むきに勤めます。

サイティングラップ。ここでも、バイクを左右に振って、タイヤの端を接地させるように心がけます。

決勝スタート

スタートは、ピットロード脇のガードレールの所に一台ずつ並んでスタートします。

グリッドに並べて、緊張してドキドキしていると「ライディングスポーツ」のカメラマンが来て「あっちのRZとどっちが古いかねぇ？」「たぶん、こっちの方が古いんじゃないですか？」と答えると、「じゃ、君たちのが一番古いみたいだね」と言われました。

そうか、FZってそんなに古いのか...というより、まわりのバイクは、みんな新しいのね(^^;

そして、スタート。

チェッカーフラッグが振り下ろされて、スタート。
シケインへ向かって一斉にバイクが押し寄せます。
コース中央に飛び出してしまった私は前を他のバイクにふさがれ、思うように加速させられないまま、シケインに進入。
2,3台抜いて、2,3台に抜かれる。ポジションは、真中よりちょっと後ろくらい。
ヘヤピンに進入する時には、さらに何台かに抜かれてしまいます。
複合ヘアピンの侵入で斎藤さんの乗るRZRにインから抜かれ、後ろをついて行こうとしたら、斎藤さんコースアウト...行き場を失った私もつられるようにコースアウト(^^;
無事にコースに復帰したものの、ポジションはビリ...そこで、焦ってしまった私は、2周目も複合ヘアピンでコースアウト....単独ビリになってしまいました。
焦れば焦るほど、走りはボロボロになっていきます。ブレーキングミス、シフトミスを繰り返し、ドンドンと前を走る集団に離されていき、あっという間に周回遅れとなりました。

周回遅れになった辺りで、やっと吹っ切れたというか、なるようになるだろうと気持ちを切り替え、段々安定して走れるようになってきました。
が、バックストレートに差し掛かったところで、周回遅れの私をパスしようとした後続車と接触。高速S時気味になっているところで速度差があった上に、私の切り返しが遅かったのでしょう。これで､またビビリモードに移行...駄目ジャン(ioi)

20分経過、PitINのサインを確認して、次の周にピットイン。
中村さんにライダーチェンジ。ついでに、ガソリンの残量を確認。まだまだ、楽勝でいけそうです。やはり給油はピットイン2回で1回にしようということになり、そのまま、給油せずに、ピットアウトしていきます。ここから、中村さんにがんばってもらいます。

私は、一度トランポに戻りタバコとジュースを持ってピットに戻ると、「そろそろ交替ですよ〜」と岩平君。「あれ、30分経った？」と聞くと「20分交替じゃないんですか?」
大田さんが抜けた分、30分交替にしようと作戦変更をしたのが伝わっていませんんでした。というわけで、もう10分間、中村さんに走ってもらい、それから、ピットインのサインを出して、交替です。

ガソリンを給油して、ライダー交代。「さて、行こう!!」と思ったら、中村さんが「グローブは？」そう、グローブをするの忘れてました(^^;
それくらい緊張しているんですね。グローブをはめてコースイン。
レース開始から、約1時間。他のライダーたちは、だいぶ乗れてきていて、さらにペースが上がっています。
ピットアウトした私とは、ゆうに100km/h以上のスピード差があります。
シケインから、ヘヤピンへと抜ける間にも、バンバンと抜かれていきます。

アクセルを開けると。「ガラガラガラガラ....」
え？って感じです。10000rpmを超えると、今にも壊れそうな感じです。しかし、アクセルを戻すと、とりあえず静かになるので、様子見で3周ほどはしってみました。
ホームストレートとバックストレートで全開してみると、10000rpmを超えた辺りで、音がいっそう大きくなったうえに、ふっと失速するような感覚を覚えました。
次の周もやはり同じ症状が出ます。またブレーキングをすると「ぐわわわわわん」とものすごい音がします。このまま、走って良いものか、迷い、一度、ピットイン「なんかやばい気がするけどどうする?」と中村さんに相談すると「音がすごいけど、大丈夫でしょう」とかなりお気楽もーど(^^;中村さんのときも出てたのね(^^;

とりあえず、完走を目指し10000rpmを上限にして、エンジンをいたわりながら、走ることにしました。

こうなると、さらにペースの差が大きくなっていきます。とくに、水色のRSと紫/オレンジの9R、真っ白な池田さんの乗るTZは、一体、同じバイクが何台走っているんだ?と思うくらい、何度も何度もパスされます。速い車両は、1分10秒を切るペースで周回を重ね、対して私は、1分25〜30秒台を行ったり来たりしているんですから、仕方ないことでしょう。
おまけに、相変わらず、何度もコースアウトしているし(ioi)

30分走ったところで、ピットイン、中村さんに交替。
「異音だけで、とくに問題ないから!!」と伝えて、中村さんの走りを見守ります。
中村さんは、段々とコースにもバイクにも慣れてきて、1分20秒前後で周回を重ねます。

この頃になると、上位チームのなかにトラブルが発生して、思うように走れないチームがでてくるようになってきました。シケインの入り口では、転倒した車両が見えます。
ピットにも、再スタートできずに、そのままリタイヤしてしまった車両が、見られるようになってきました。

中村さんは、1分22,3秒のペースで、順調に周回を重ねています。
この頃になると、なぜか、このままの調子で行けば、完走できるんじゃないかな？という希望が見えてきました。

「あ〜〜〜〜〜〜!!」隣のピットから悲鳴にも似た声が聞こえました。
なんと、池田さんのチームのTZが、複合ヘヤピンで転倒。なんとか、バイクを再スタートさせることが出来ましたが、かなりの時間をロスしてしまったようです。
ピットに戻ってきたTZを修復しようとしていましたが、しばらくすると「駄目だ〜」という声が聞こえてきました。残念ながら、リタイヤとなってしまいました。

スタートから、2時間経過。
中村さんにピットインのサイン。さっきのようにグローブを忘れるようなミスをしないために、同じピットを使っているえんちく師匠チームのみんなに手伝ってもらい、給油とライダー交代、「相変わらず異音はすごいけど、それだけだから！」と中村さんに言われ、ピットアウト。

すでに、残り周回数は50周となっています。
たぶん、私の最後の走行でしょう。
エンジンの異音はするけど、さっきよりも酷くなっている感じはしません。
ストレートや立ち上がりでは、ちょっとパワーが落ちたかな?という気はするけど、ちゃんと走れちゃいます。
相変わらず、早い車には抜かれつづけるけど、コースアウトも減り、順調に周回を重ねられるようになりました。
いつもより、いい感じで最終コーナーを抜けられ、「ヨシ!!」と気合いが入って、ホームストレートに出たところ、なんと黄旗を振ったマーシャルがコース上に...その先には、2台のバイクがホームストレート中央に転がっています。腕を抱えたライダーが、ピットのところのガードレールにもたれかかっています。
「ゲッ!!」と思いながらも、こぼれたクーラントを踏まないように、気をつけながら、ストレートを抜け、シケインに、この頃になると、腕も脚もパンパンで、かなり辛いですが、「もう少しだ」と自分に言い聞かせて、走りつづけます。

そして、ピットインのサイン。
ピットに入って、「異音するだけ!! ストレートだけ気をつけて!!」と声をかけて、中村さんを送り出します。

すでに、私服に着替えてしまった池田さんが、脇でタバコを吸いながら休んでいる私のところにきて「ふっしぎでしょうがないんだよなぁ〜、なんでFZ壊れないかなぁ〜？」と冗談交じりに話し掛けてくれました。
実際、今回の参戦のきっかけを作ってくれたのも池田さんなら、マシンの準備や整備も全部、池田さんに任せきりでした。

「結構、いい順位走ってるよ」と言われ、モニターを観にいくと、なんと21位につけています。
「おぉ〜!!」
転ばず大きなトラブルもなく、地道に周回を重ねていた結果、いつのまにか、真中くらいにきていました。

そして、ラスト5周。
3時間を経過していましたが、中村さんも乗れているし、ここでライダー交代してもタイムロスするだけなので、中村さんにチェッカーを受けてもらうことにして、そのまま走りつづけてもらいます。

そして、チェッカー

優勝は、水色のRS。

そして、無事にチェッカーを受けることが出来ました。コースサイドで見ている家族に手を振りながらピットに戻ってくる中村さん。ピットでは、みんなで中村さんを出迎えました。

結果は、全参加台数 39台中 16位完走。ノーマルクラスでは、6位とはじめて参戦したにしては、大満足の結果です。

一緒に参戦した、えんちくさんチームも18位で無事完走。
みんなで、健闘をたたえあいました。

パドックにて

荷物を片し、パドックに戻るみんなは、とてもいい笑顔をしています。
そこに、片手に何かが入った袋を下げた池田さんが、私と中村さんを待っていました。
「無事完走できたら、あげようと思って買っておいたんだ」といって、袋から取り出したのは、シャンパンでした!!何度も書いているように、なにからなにまでお世話になりっぱなしのうえに、こんなご褒美まで...

喉にクッとくるシャンパンの喉越しに、走りきった疲れも忘れついついはしゃいでしまいました。

みなさん、お疲れ様でした!! 来年は、何で走りましょうか？