別に、流行だからと言うわけではないのですが、突然、アップハン化をしようと思いつきました。
きっかけは、と言えば突然思い立った「仙台ツーリング」です。同居人がお盆休みに合わせて、実家に帰っている間、暇なんでどうしようかなぁと思っていた所に、チャット仲間から、「牛タンをご馳走してあげるから遊びにおいでよ」とのお誘いが...
それも、女の娘からのお誘いでは断るわけには行かないでしょう。しかし、バックステップ、キャブ、CDIの交換の為に既に支払いを済ませてしまった為に、思い切り金欠状態の筆者は、高速を使わずにR4をひたすら北上するルートを選択したのでした。
そして、「仙台ツーリング」当日の99年8月14日と言えば、全国的に、この夏始まって以来の記録的な豪雨に見舞われ、行きは終始、雨が降りつづけ、帰りも半分以上、雨の中を走行すると言う過酷な旅となりました。往復で755kmこの道中をずっと下道で行くとなると、R1-Zの低めのハンドル位置が泣けてくるほど辛く感じました。
帰り道、天気が良くなって、運転自体は多少楽になったものの、帰省ラッシュのなかをすり抜けを続けていると、次第にクランクケースの温度が上がってきてしまいクラッチの切れが悪くなり、ニュートラルに入りづらくなると言うMyOneZの持病も出てきて、信号待ちでも左手が放せず次第に腕はパンパンに...クラッチの切れの悪い分、ミッションに負担を掛けないようにと、回転数を合わせる為に、右手はシフトダウンのたびに、スロットルを煽りつづけ、手首はガタガタ...
翌日は、手首が痛くて、キーボードも打てないほどになってしまいました。
もうこうなると、「バイクはやっぱりスパルタンなのが一番」とか言ってられなくなってきました。毎日の通勤でも、低い位置に取り付けたセパハンよりも、アップハンのほうが、取り回しも楽だろうし....と思う事もしばしば在ったりもしました。
しかし、10代の頃の感覚が抜けきらない筆者にとって、STDでセパハンが付いているバイクに、わざわざアップハンを付けると言う行為が、なにか不純なものに感じられ、なかなか踏ん切りが付かずにいたのも事実です。
もし今回のツーリングでこれほど辛い思いをしなければ、これまでの予定通りに、トップブリッジ下にセパハンを組んでいたと思います。
筆者なりに葛藤は在ったものの、最終的には「MyOneZの基本コンセプト(って程大した物じゃないけど)は、通勤快速なんだからから、これはこれで、アリだろう」と、自分を納得させることにしました。
ツーリングに行ったのも突然ならば、アップハン化を思い立ったのも突然だったりします。まぁ、なんだかんだ言って、寄る年波には勝てなかったと言うのが、正直な所です。(^^;
しかし、やるからには、きちんとカッコ良くしたいものです。予定外の改造なので予算はあまり取れ無いながらも、いつもお世話になっているさわおさんに相談して、安く格好良くきちんとアップハン化できる方法を探す事にしました。
アップハン化に伴って必要になるトップブリッジは、セパハン取り付けの為に探してもらっておいた中古品をアルマイトし直して、そのまま使う事にしていましたが、あまり綺麗に仕上がらなかったということで、さわお号についていた奴を取り外して、付けてもらうことにしました。
# ちなみにさわお号は、ブラックアルマイトに変更することにしたようです。
それ以外ではブラケットとハンドル、それと長さが足りなくなるブレーキホースとクラッチ、アクセルワイヤーを購入する必要が在りました。
ハンドルバーは、アルミ製の軽量な物も魅力的でしたが、ギャップを乗り越えた時や、高速コーナーでよれる感じがする事もあるというのと、ハンドル周りがごちゃごちゃしているのが嫌いな筆者は、ブレース付きのハンドルを使う気になれず、今回は採用を見送りました。
それに、純正品流用のスチールパイプ製のハンドルバーなら、値段も安いですしね。純正でバーハンドルを採用しているバイクをチェックしてみると、VTR250やCB400-SFに使われているタイプのものが、低めのセミアップタイプのもので、ポジション的にかなり良さそうでした。
結局、メッキのハンドルがあまり好きじゃないと言う単純な理由で、シャンパンゴールドに塗装されているVTR250用のハンドルを使う事に決定しました。ちなみに、VTR250用は、CB400SF用に比べると、ハンドル一本分くらい高くなっていますので、さらに楽チンポジションになります。
もしシャンパンゴールドが気に入らなかったら、塗り替えられると言うのもメッキハンドルにはないメリットですしね。
クラッチ、アクセルワイヤーは、柳沼氏から、手持ちのクラッチ、アクセルワイヤーがアップハン化に使えるだろうと言う事で、もし届かなかった時の為に提供してもらえる事になりましたが、VTR用のハンドルだとそれほど極端に高さが変わるわけではないので、取りまわしを変更することで、問題ないレベルで収まり、使わずに済みました。
そして、どうしても長さの足りなくなってしまうブレーキホースは、あまり必要性を感じないながらも、タッチが改善されるので、無駄にはならないだろう思い、アールズのアルミタイプを奢ってやりました。
部品が全部揃った所で、早速取り付けをいつもの様にRyOXのさわおさんにやってもらいました。
まず、さわお号からトップブリッジを外し、次にMyOneZから手際良くハンドルからスロットルやブレーキマスターなどを外し、トップブリッジを交換、ポストに単品で観るとかなり怪しい雰囲気の色のVTR250用のハンドルを取り付け、セパハンから外したパーツを取り付けていって、アクセルワイヤーとクラッチワイヤーの取りまわしを変更。
最後にブレーキホースを交換して、エア抜きをして完成。
アップハン化を済ませたMyOneZにまたがってみると、まるで別物のバイクの様です。今までの低く幅の狭いセパハンでのポジションと比べると、ひとまわり大きなバイクにまたがっているような印象です。
ブレーキ、クラッチのレバーの位置調整を済ませた所で、早速試乗。
またがってみた時に感じた以上に別物のバイクになっていました。身体が起きたポジションで重心位置が高くなったせいだと思うのですが、かなり楽にヒラヒラと切り返せるようになった感じです。視界もちょっと広くなったように感じます。そしてねらい通り、渋滞の中のすり抜け時の取り回しがとても楽になりました。
街乗りレベルでは、やはりアップハンの方が楽なんだと乗ってみて改めて実感しました。
ブレーキホースを換えたことで、いままで、ノーマルのホースでもマスターシリンダーのメンテをきちんとしていれば、タッチは十分に良いと思っていましたが、換えて見てびっくり!! 予想以上にタッチがカチッとして驚かされました。
STDの状態のままだと、遊びが無くなってしまった分、レバーの位置が遠く感じられる票になってしまい、再調整が必要な程でした。
飛ばす時も、腕周りに余裕が出来たので、セパハンの時と雰囲気は違うものの、悪くない感じです。もともと足りないフロント過重がアップハンにした事で更に足りなくなってしまったので、フロントの接地感が減ってしまいましたが、ペースを上げる時にフロント過重外足荷重を常に意識して、乗るようにする事で、なんとかなっています。
リア高を少し上げてやれば、良さそうですが、やるにしても、もう少し走り込んでみてから、やる事にしようと思っています。
こんな感じで、急に思い立った割には、周りの協力を得られてとんとん拍子で話が進んでしまって、恐いくらいです。はじめは、あれほどセパハンに固執していた筆者が急にアップハン化をすると言い出した時点で、総スカンを食らうのではないかと、内心ヒヤヒヤだったんですけどね。
とはいえ、筆者は、いまだにトップブリッジ下に取り付けられたクリップオンタイプのセパハンの方がかっこいいと思うのには、変わりはなかったりしますけど....
--21/Oct/1999--
アップハン化して数日が過ぎたので、これまで乗ってみてのインプレを含めて、その後の作業報告です。
アップハンにしたためにトップブリッジの中央をハンドルバーが跨いでいますが、筆者のように低めのハンドルポストを使用する場合は、これがステムナットの頭に干渉してしまうかも知れません。実際に筆者の場合はわずかに干渉していました。そこで、アルミ製のDタイプのナットに変更することで、クリアしました。
若干の軽量化にもなりますし、ステムシャフトの中央から下が見えるのは、何と言っても、普通じゃなくて、恰好良いかも。筆者は、こういうの結構好きです。
それから、フロントの加重不足を軽減するために、フロントのイニシャルを0.5段下げてみました。最高速付近でのフワフワ感は、若干増えましたが、街乗りレベルでの安定性は格段に向上しました。
これ以上何とかするには、リア高をあげるとかの対策が必要そうです。車高調整用のリンクが発売されていますが、リンク比が変わってしまうのが、嫌なので、今のところ、使っていません。
突き出しを変更してみる言うのも有りなんでしょうけど、これも、もう少し乗ってみてから、にするつもりです。
それから、ハンドルの幅が、広がったことで、ハンドルが振られても押えが効くようになったのは、かなり楽です。R1-Zって轍とかでハンドルを取られることが多くて、今までかなり恐い思いを何度もして来ていたけど、押えが効くお蔭で、だいぶ、安心して乗れるようになりました。
つづく.....かな??