走行距離は10000kmを越えましたが、毎日の通勤や週末のツーリングにと、MyOneZは、ますます快調です。
そして、待ちに待ったチャンバー装着の日が訪れました。そのチャンバーは、他でもないあの憧れのチャンバーだったのです。
昔、87NSRに乗っていた頃、通勤路でよく会う初期型TZRがいました。
そのTZRがつけていたチャンバーがSS-ISHIIのチャンバーでした。NSRのV型エンジンとは、まったく違う「パーーン」と乾いた排気音がとても印象的でした。
素直に「あぁ、TZRって凄くいい音するよなぁ..」と羨ましく思っていたものです。
今回、10年ぶりにバイクに乗ろうと思った時に、そのTZRと同じエンジンを積んだR1-Zを選んだのは、間違いなく「あの音」を自分のものにしたかったからというのも理由のひとつでした。
そのチャンバー、そのものがいま自分のR1-Zに装着されています。
装着にあたって、ステップにマフラーのマウントの無いコワースのバックステップでは、チャンバーの取り付けができないために、借り物のOX−Racingのステップに交換する必要がありました。また、2箇所ほどフレームに干渉してしまうところがある為にそこを叩いて修正して取り付けました。
取り付けの際には、シリンダーのフランジ取り付け面に残ったガスケットをスクレッパーできれいにはがし、シリコンコーキングをしっかり塗って取り付けたお陰で、排気漏れは全くなしでした。結構、この辺をいいかげんにしてしまう人が多いらしく、排気漏れしている車両が多いと言うことなので、要注意です。
ノーマルの右ニ本出しも、悪くは無いというか、どちらかと言うとカッコイイ部類に入ると思いますが、それと比べると、サイレンサーの辺りが大分すっきりして、スパルタンな雰囲気がします。左のリア側も、「あるべきところにあるものがある」と言った感じで、不自然さは全くありません。
なんと言っても、一度下に振ったエキマニが、きれいな曲線を描きながらフレームに沿っていくところのラインがなんとも言えずかっこよく感じます。
筆者のR1-Zは2度の焼きつき(1回は比較的軽症で抱きつき程度)を経て、今は借り物のスポーツチューニングST-2を施してあるシリンダーがついています。これは、注文してあるワイセコのピストンが届き次第、交換する予定なのですが、これはこれで、高回転でのパワー感があり且つ下の方のトルクもそれ程犠牲になっていなくて面白いです。
この状態でチャンバーを入れるとどうなるか...
想像どおり、上はレッドゾーンまで一気に回るようになります。それも、かなりのパワー感を伴って...かと言って下のトルクもがなくなるかというとそんなことは無く、STDのマフラーに比べると若干なくなりますが、街乗りが辛くなるということは全然ありません。4000rpmも回っていれば、STDよりも一段厚みの増したトルクと、STDの時にあったトルクの谷が無くなり、6000rpmから上では、回転が軽くなり、パンチのある加速感と共に心地よい音とともにどこからでも加速体制に入ってくれます。
いつもの通勤時には、あまりエンジンを回さないで走るほうですが、この気持ちよさにエンジンの回転もいつになく回し気味になってしまいます。
下から上まで、スムーズにというか、回転数の上昇ともに増していく出力特性は、気持ちにシンクロしてくれて逆に乗りやすく感じるかもしれません。
音は、アイドリング付近では、STDと同等か若干大きめ程度、街中で一番良く使う、3000〜6000rpmの間では、耳障りな音がしない分むしろSTDよりも静かに感じるくらいです。そして、6000rpmを超えると「パーーーン」という乾いた音質の音に変り、とても心地よい音がします。もちろん、これも、STDよりも若干大きい程度。繋がるきれいな音なので、逆に静かに感じるかもしれません。
全体的に排気音よりも、豚鼻を外した吸気音の方が耳につくくらいの大きさが維持されています。
そして、左右2本で、STD1本よりも軽いチャンバーのお陰で、取り回しがかなり軽くなりました。いつも駐輪場から出す時にリアタイヤを持ち上げて向きを換える必要があるのですが、気持ち楽になりました。さすがに楽々と...とは行かないのは仕方ないことですけどね。
そして、走り出すとさらに軽さを体感できます。トルクがなくなった分以上に軽くなっているせいでしょうか、するすると走れる感じがとても楽しいです。この軽さは、すり抜けしながらのスラロームが、全然違ってきます。いままで、「動きがだるい」と感じることは、殆どなかったのですが、この軽さを知ってしまうと、STDの状態がいかにだるかったのか、思い知らされます。
かと言って、フラフラとすると言うわけでもなく、向きを変えたいときに簡単に変えられるようになったと言うんでしょうか、とにかく、チャンバーひとつで、別のバイクのようになってくれるのですから、うれしくなってしまいます。
あとは、これをベースに煮詰めたワンオフチャンバーを作ってもらうのを首をながーくして待つだけです。
つづく.....かな??